コラム 第2号
人生を豊かに!
マネーリテラシーを身につける“お金以外の”メリット

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2022年6月28日発行

老後2,000万円問題・急激な円安・物価上昇など、2022年はお金に関するさまざまな問題が浮上しています。

そのような中で注目されつつある言葉がマネーリテラシー(金融リテラシー)。「お金や経済に関する知識や判断力」を意味しており、家計の見直しや税制度の活用など、さまざま場面で必要になってきます。

ただ、SNSや広告などで「マネーリテラシーを身に付けないと人生損するよ!」などと強めにあおられると、「人生はお金だけじゃない」と反発し、勉強する気をなくす人もいるのではないでしょうか? その気持ちは、筆者も大変よくわかります。

個人的な感想ですが、マネーリテラシー=お金儲けをする力とは考えていません。お金以外の面でも、人生を豊かにしてくれる素敵な知識だと感じています。

今回は、筆者の体験談ベースで「マネーリテラシーを身に付ける“お金以外の”メリット」をご紹介します。

経済用語や税金の仕組みの理解による充実感

毎日の何気ないニュースの理解度が深まる

経済や税金関係のマネーリテラシーを身に付けると、テレビやスマホで流れる経済系のニュースが以前よりも理解しやすくなります。

「何を言っているのかわからない」が「この単語は聞いたことある!」という認識に変わると、同じニュースを見たとしても、不思議と興味の度合いが違ってくるものです。

実際に人間の理解力は、語彙力と相互作用があると言われています。お金関係の語彙力を増やして経済ニュースや書籍の理解度が高まると、前よりも情報収集が楽しくなるはずです。

マネーリテラシーで娯楽が楽しくなる?

筆者がマネーリテラシーについてメリットを感じた場面で意外だったのが、小説やドラマを見ているときです。

たとえば王道のファンタジー小説や冒険活劇であっても、架空の国の経済状況や交易、商売について解説が入るときがありますよね。

もちろん話の本筋ではないので、理解しなくても読み進められる作品ばかりです。ただ、商業に強いキャラクターや物語のキーとなる取引・交渉事は、現実の市場動向やお金の流れをバックボーンにして考えられているケースも少なくありません。

そこをなんとなくでも理解できるようになると、人物たちの思惑・行動に説得力を感じたり、「なぜこの場面でこの取引・交渉が成立するのか?」がわかるようになったりと、これまでとは違う物語への没入感を得ることができました。

お金関係で有名な小説・ドラマと言えば、池井戸潤氏による「半沢直樹シリーズ」です。銀行や融資先が舞台となる本作では、まさにお金にまつわるストーリーが展開されます。

主人公・半沢直樹の倍返しによるカタルシス効果や、豪華俳優陣による名演技だけでも十分に楽しめます。しかし、物語上で登場する粉飾決算や融資の仕組みなどがわかると、作品がより面白く感じるはず。裏帳簿の存在がどれだけまずいのか、国税に目をつけられるとはどういうことなのか、など。

このように「娯楽を楽しむ」という意味でも、マネーリテラシーを身につける意味があるのではないかと思います。

知り合いにお金のことを語れるちょっとした充実感

最近、Yahoo!ニュースなどでも取り上げられる、NISA制度やiDeCo(個人型確定拠出年金)。

ある日、筆者の友人がNISA制度やiDeCoについて疑問を持っていたので、軽くではありますが説明を行いました。そうすると大変喜んでくれまして、「こういう話題を話せる人が他にいないから助かる」と感謝されました。

非常に単純ではあるのですが、「マネーリテラシーを身につけたことで、他の人から感謝される機会が増える」という体験を得られることが、筆者的に大変メリットに感じたのです。喜んでくれるのは単純に嬉しいですし、その場のちょっとした優越感にも浸れるオマケ付きです。その後、友人はiDeCoをはじめ、お金周りに興味が出たようで自身でも書籍を読んだりニュースをチェックしたりするようになりました。今では、経済や株式などに関して頻繁に情報交換する仲です。

せっかくなので、NISAやiDeCoについて少し解説を。

NISA(少額投資非課税制度)は、あらかじめ決められた年額以内で購入した株式・投資信託から出た利益に、税金(金融所得課税20.315%)が課せられなくなる制度です。
一般NISAなら年間120万円・5年間(2024年からは122万円)、つみたてNISAなら年間40万円・20年間まで対象になります。
極端な例だと、「ある年につみたてNISA口座で購入した投資信託20万円分から、20年後に100万円の利益が出た」というケースでも、購入額は年間40万円以下なので、利益100万円はなんと全額非課税になります。

続いてiDeCo(個人型確定拠出年金)とは、いわばもう一つの年金制度。毎月自分が決めた掛金分だけ拠出して商品(定期預金・保険商品・投資信託など)を購入し、その運用益を年金として受け取る制度です。
60歳まで資産は一切引き出せないものの、「掛金分は全額所得控除」や「運用益はすべて非課税」などの税制上の優遇措置があり、節税効果が非常に高い制度となっています。

NISAとiDeCoは、どちらも「何年、何十年もかけて少額ずつコツコツ資産を積み立てていき、毎年少しずつ資産を増やしていく」という、リスクを抑えた投資の基本である長期+分散+積立の性質があります。

一か八かのギャンブルとは程遠い、健全かつ効果的な資産形成です(投資なので元本割れのリスクは当然あります)。

あなたの仕事にもちょっとしたプラスに

プライベートに加えて、マネーリテラシーは仕事上でも役に立ってくれました。1つの例として、経理部や総務部などのバックオフィス業務についての理解が深まった点が挙げられます。

私は現場職寄りの人間だったので、お金やその他資産を管理する立場ではありませんでした。しかし前よりはマネーリテラシーが身についたかな? と自覚する頃から、証憑書類(請求書など)や各種備品、キャッシュフローなどを管理する仕事の大変さに気づくようになったのです。

ある日、飲み会の席で経理の方と同席する機会がありました。よい機会だと感じて「最近、経理の仕事の大変さに気づきまして……」と、感謝の気持ちを述べました。

そこからは逆に「現場のお話をもっと聞きたい」と意気投合しまして、その日を境に、現場とバックオフィスの間での風通しがよくなり、連携が取りやすくなりました。お互いの仕事を理解し合うきっかけとして、マネーリテラシーが役に立ったのです。

仕事の面では他にも、「経営陣や取引先との話題作りができた」「プレゼンや報告書作成のときに、金額や取引の流れを取り入れて説得力を上げられた」などのメリットがありました。

このようにマネーリテラシーは、ビジネス上でもさまざまなケースで筆者の力となってくれています。

マネーリテラシーを稼ぐためだけに使うのはもったいない

マネーリテラシーの本質は、「お金のことをいかに知っているか、うまく使えるか」という点であることは間違いないでしょう。しかし、筆者はマネーリテラシーを以前より高めたことで、新しい発見や人との交流の機会が得られました。

「今より稼ぐため」ではなく、「好きな物語をもっと理解したい」「気になるあの人と楽しくしたい」という目的。こうした楽しみのためなら、勉強へのハードルも少し下がるのではないでしょうか。

今ではマネーリテラシーをテーマにしたYouTube動画や書籍が山のようにあります。1日5分でも十分です。

“お金以外の目的”のために、“お金のこと”を、少しずつ勉強してみるのはいかがでしょうか?